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2007年 10月 03日
ある高校に、「歩行祭」という奇妙な伝統的行事がある。毎年、何月なのだろうたぶん夏が過ぎた頃の一日、朝から翌朝までかけて全校の生徒が80キロ歩くのだ。
今年もその日が来る。3年生にとっては、最後の歩行祭。思い出と、未来をうまくつなぐためにやらなければならない何かを、みんなそれぞれ胸に秘めている。それをするタイムリミットは、朝から翌朝まで。80キロの行程を、3年間一緒に過ごした友達と歩く間だけだ。 なぜか分からないが、そうなのだ。 この映画が好きだって人、たくさんいるだろうな。 よくできた映画ではない。若い俳優たちは、お世辞にも演技がうまいとはいえない。でもその、決してうまくないってところが、この青春映画の初々しい魅力につながって、すごくいい空気とか余韻みたいなものを作り出している。 すべての実写映画はドキュメンタリーだ。 歩く若い俳優たちをカメラが追い続ければ、作り話なのに、本当のことみたいになってくる。歩行祭で80キロを歩く高校生たちと、カメラの前で演技をしている若い俳優たちが溶け合ってくる。 そういう魔法を信じて作られてる映画。 魔法は、かなり、うまくいっていると思います。 多部未華子という女優を見てみたくて、この映画を見た。 主人公の甲田孝子を演じている。 劇中で孝子はよく「コウダ」って呼ばれる。おもに男子に。それが高校生っぽい。私は大人になって日が長いのでそう感じるのだが、女子を「コウダ」って呼ぶのは、高校生が「子供最後の時代」だからだ。それ以降は、たとえ名字で呼び捨てにしても、意味が違う。 多部未華子は、たしかに存在感のある女優だった。 できれば、NHK的安心感に入らないで欲しいのだが、でもNHK好みだな。 高校生たちは、ひどくゆっくりと歩く。いらいらするくらい遅い。彼らは別に、部活をやるように一生懸命これに打ち込んでいるわけではないし、勝ち負けもない。そもそもなんでこんな馬鹿なことに参加してるのか、理由がわからない。伝統だから?そんなの関係ねえ。 でも本当は、楽しいのだ。友達と一緒に夜歩くのは楽しい。これが青春最後の日だなんて誰も思ってないだろうが、楽しい時間がいつか終わるのはみんな知ってる。そして、それが終わるまでに伝えないといけないことが、彼らにはある。それはコウダとニシワキだけではないだろう。たりぃとかもうやめようとか言いながら、高校生たちは一緒にいる時間を引き延ばすように、のろのろと歩く。 この映画の撮影が始る前に、スタッフと出演者たちは、60キロの歩行祭をやってみたそうだ。それがどのくらい疲れて、どんな気分になるのか分かるために。あの、のろのろ歩きはその経験から生まれたものなんだろうか。 何人で歩いたんだろう。そんなことをしたら、年のバラツキはあっても、なんとなくみんな仲良くなるだろうな。監督も、怖い偉いおじさんというよりは、先生みたいになっちゃったんだろうな。若い俳優同士は、ほんとに仲良くなっただろう。そういうゆるい感じがこの映画にはある。それは悪い感じではない。 それが、この映画の魔法のタネになっている。
by denkihanabi
| 2007-10-03 01:06
| 映画ネタ
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