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2007年 04月 13日
女の子が「えー、昔の女王様ってこんな暮らししてたのー?」っていうのを、そのまま映画にしました、って映画。
えー、朝着替えるの一人でやっちゃいけないわけー?とか、うそ、エッチするときもシンセキ一同にチェックされちゃうわけー?とか、まじチョコやらケーキやら食べ放題でしょダイエットしてたのかよ、っていうか虫歯どうなんだよとか、そーいうことをいちいちアンビリーバボー、これやりてー、でもこれはかんべんだよな、つって見る映画です。 18世紀(だっけ?)ヴェルサイユ「世界ふしぎ発見!」みたいな映画です。 映像も微妙にテレビっぽい。撮影は「ロスト・イン・トランスレーション」と同じランス・アコードという人だ。「マルコヴィッチの穴」なんかも撮っている。コッポラJr.チームと仲がいい人のようだが、この生っぽい映像は「ロスト・イン・トランスレーション」では奇妙に日本映画的ないい味を出していたけれど、舞台がヴェルサイユになると映像が歴史に負けてしまっているような印象をうけた。 もちろん、それは狙いなんだろう。 ソフィア・コッポラは、彼女の父親がゴードン・ウィリスという撮影監督と作り上げた「ゴッドファーザー」のような重厚で豊穣な映像を、彼女のヴェルサイユから排除しようとしているのだ。 この映画のヴェルサイユは、現代のN.Yや東京のすぐ近くにある。ドアを開ければ、はいヴェルサイユ。不便を感じたら戻ってコンビニに行けばいい。そういう距離だ。 キルスティン・ダンストは、ミス・キャストじゃないかって見る前から思ってた。この人まだ25才らしいのだが、すごくベテランに見える。初々しさがない。 オープニング、ベッドで目覚める14才の世界で一番大好きなのはへちゃむくれのワンちゃんだっていう女の子マリー、っていうシーンがね、無理でした。 せめて、あそこは子役でいくべきだったかもしれない。 14才で親も国も捨てて結婚する痛々しさが、全然感じられなかった。 “女の子”なのに、“世界最強”っていうのがミソなのに。 例えば、スケートの浅田真央と安藤美姫は全然違うじゃない。でも16才と19才なんだな。3才しか違わない。でも違う。 14才と25才は、舞台ならアリでも映画ではきつい。いや、昔の映画ならアリだったかもしれないが、今のリアリズムが求められる映像の世界では、つらい。もし、キルスティンが無名の新人だったらまだ可能性はあったかもしれないが。 これはCGを駆使しても簡単にはいかない問題なので、これからの映画がどうやってそこをクリアしていくのかは見ものだ。メイクで老けさせるのはできても、大人を子どもにするのはまだ無理だ。 「ハリー・ポッター」の最新作もきびしそうだね。 同じことが、ルイ16世を演じたジェイソン・シュワルツマンにも言える。映画の前半、ルイ16世は10代の若者なんだ。でも全然そんな風に見えない。ルイ君とマリーちゃんがセックスをうまくできなくて子どもができなくて困ってるシーンも、10代の少年と少女の無器用なセックスには全然見えなくて、精神的インポに悩める30男とエロ満開なのに欲求不満の20代後半のねーちゃんに見えた。 それじゃ、だめじゃん。美しくなさすぎじゃん。 よかったのは、マリーが贅沢三昧する、可愛い彩りのお菓子や靴が音楽にのって次々と登場するシーン。この映画はあれでしょう。あればっかりでもよかったのにね。 あと、マリーが娘と田舎に行って自然派な暮らしをするシーン。あそこはいかにも今風な、都会の消費文明にどっぷりな人間の金を使ったプチエコな感じで、CM的でよかった。ロハスって言うんですか。 映像も、編集も、瞬間的にいい。 ソフィアのホームグラウンドだ。 この辺ではマリーの年齢がキルスティンと近くなってるしね。 まあ、でも、なによりいいのはサントラです。 ソフィア・コッポラの選曲はいい。 サントラの一曲目、スージー&ザ・バンシーズだぜ。やるなあ。 「香港ガーデン」。久々に聞いたけどいい。このイントロをストリングスにしたアレンジも秀逸。 この曲で18世紀の貴族たちが踊りまくるシーンは楽しい。コスプレ・クラブ。何でもあり。そんな感じ。 どんな背徳的(いい言葉だなあ)コトでもOKな感じが満ち満ちている。80年代のN.Yのクラブのイメージなのかもな。行ったことないけど。すげー残念。 The Radio Dept.っていうバンドの曲もいい。知らないバンドだけど。 そんでもって「ヴィヴァルディ協奏曲ト長調」ってのがロックにはさまって入ってんのがいい。これ「オール・ザット・ジャズ」でロイ・シャイダーがシャワー浴びて目薬をさすときにかける音楽だ。“It’s showtime folks !”です。 ソフィア・コッポラと音楽ネタ、映画ネタで飲んだら楽しそーだなー。 サントラ、ヘビロテ中です。 この映画を見て「ニューヨーク・ストーリーズ」を思い出した。 マーティン・スコセッシとフランシス・コッポラとウディ・アレンがN.Yを舞台に撮った短編を並べたオムニバス映画。 スコセッシのやつが私は大好きで、実はあれがスコセッシのベストじゃないかと思っているのだが、思い出したのはコッポラの方だ。 コッポラが撮った短編の脚本を、娘のソフィア・コッポラが書いていた。たぶん当時、17才とかかな。N.Yのめちゃくちゃセレブな家庭の子どもの話だった。あの設定はソフィア自身の話だったのか空想なのか分からないが。 マリー・アントワネットと、あのセレブな子どもが重なった。たしかゾイっていう名前の小さい生意気な女の子。 あの子なら、ヴェルサイユにもコンビニにも普通に行けるだろう。 で、さっき知ったのだがキルスティン・ダンストのデビュー作は「ニューヨーク・ストーリーズ」だったらしい。ゾイの役ではなかったらしいが。 古いつきあいなんだな。 ジェイソン・シュワルツマンはソフィアの従姉妹だし。 セカンド・ユニットの監督は兄のローマン・コッポラ(この人、人がよさそうだよなー)だし。 コッポラ家は、親族や友人でスタッフキャストを固めすぎる傾向がある。まあ、みんな才能があるってのはすごいけど。 でもソフィアは、一回そこから抜けた方がいいような気がする。この人の“お嬢さま的ストリート感覚”みたいのが、もっと厳しく出そうな気がするのだ。 今回コスチューム・プレイを思いっきりやったから、次はストリートに行ってみたらどうだろう。東京やパリじゃなくて、自分ちの近所の。
by denkihanabi
| 2007-04-13 04:04
| 映画ネタ
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