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2007年 01月 12日
「5・6・7・8!」
ものすごくよくできた映画だ。もともとはボブ・フォッシーのブロードウェイ・ミュージカル。映画版は「SAYURI」のロブ・マーシャルが監督している。 私は先に映画を見て、その後来日していた舞台版を見た。 映画版は素晴らしくきらびやかだ。豪華なセット、衣装、光、色彩、華麗なほどめまぐるしい編集。刑務所で女囚たちが踊るシーンのカッコよさ。ロキシーとヴェルマのレヴューシーンの華々しさ。 当然、舞台版にもビジュアル的にショーアップされたステージを期待して見に行ったら、これが見事に正反対のステージで驚いた。 黒一色のシンプルなステージ。モノトーンの衣装。セットらしいセットもなく、ただストイックに「このダンスを見ろ」というスタイルだ。 カッコいい。これは本当にカッコよかった。 ボブ・フォッシーは20年前に亡くなっている。私の見た「シカゴ」は映画も舞台も、フォッシーへのリスペクトと挑戦をこめた、他の演出家による作品だった。 映画と舞台、どちらがよかったと言うことができない。まったく違うスタイルで、どちらも傑作だ。こんなことは珍しいだろう。 私は残念ながら、ボブ・フォッシー自身による舞台を見たことがない。唯一「ピピン」という作品をTVで見たことがあるだけだ。 私にとってボブ・フォッシーはまず映画監督だった。最初に見たのは「レニー・ブルース」だ。ダスティン・ホフマン主演のモノクロの映画だ。高校生のとき、たぶん自由が丘にあった名画座で見た。そのとき1回しか見ていないわりには、いろんなシーンを覚えている。今見れば、感じることがまったく違うだろう。 次に見たのが「オール・ザット・ジャズ」だ。 「オール・ザット・ジャズ」は圧倒的だった。うわ、カッコいい!だった。私は18才だった。その後何度も見た。年を経るにつれて評価はいろいろ変わったが、私があの映画にものすごく影響を受けていることには変わりがない。 例えば私が目薬をよくさすのは、ジョー・ギデオンの真似から始まったことだ。「シカゴ」のオープニングとエンディングで歌い踊られるナンバーのタイトルが、「オール・ザット・ジャズ」だ。 映画版「シカゴ」の監督ロブ・マーシャルもまた、ブロードウェイの振り付け師兼演出家であるらしい。こんな大作に抜擢されるほどだから、舞台の世界では相当メジャーな人なんだろう。 彼は、映画「シカゴ」からフォッシースタイルを完璧に排除した。 ストーリーはフォッシーらしい、シニカルなロマンチシズムに溢れた物語のままだが、ダンスの表現がまったく違う。 この戦い方は正しいと思う。正しいが、誰にでもできることではない。この監督、すごい実力がある。それは映画を見れば分かることだが。 見事なカットバック。撮影と衣装と美術と照明と、そして編集。すばらしい。 リチャード・ギア演じる弁護士ビリーは、この世はショーだ、めくらましで黒も白になるっていう歌を歌い踊りながら、現実の裁判所とレビューの舞台を編集の力で行ったり来たりする。終わってみれば、リチャード・ギアはまるでミュージカルスターだ。まさにめくらまし。まさに「ラズル・ダズル」だ。 ちなみにこのナンバー、舞台でも見せ場だ。こちらは当然編集なし。ばっちりダンスで見せる。これもすばらしい。 映画版が好きな人は、機会があれば舞台もぜひ見てください。すげーカッコいいですよ。 私が見た5年前の公演は、振り付けがアン・ライキングという人で、この人は「オール・ザット・ジャズ」にも出ていた、実生活でボブ・フォッシーの愛人だった女性だ。 すげー。 死んでまだその才能を愛されるなんて、なんてカッコいいやつなんだ。 ご冥福なんか祈りたくないね。
by denkihanabi
| 2007-01-12 00:38
| 映画ネタ
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