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2006年 11月 09日
ビデオアートって面白かったことがほとんどないのだが、これはよかった。
会場に入ると、いきなり高さ3mくらいの縦長のスクリーンで、人間が燃えている。 ああこういうのって、なんていうんだっけ?思い出せなくてぼーっと見ながらずっと考えていた。宮部みゆきの「クロスファイア」みたいなやつ。 スポンティニアス・コンバッション。それです。人体自然発火。私は超能力ものが好きなのだ。 人間が燃えているスクリーンの裏側では、大量の水に同じ人が”浴びせ消されて”いた。 シンプルなアイディア。ガツンと来る映像。面白い。 服が燃えたり濡れたりしてなかったから、合成だ。あたりまえだ、本当にやったら火の方は、まず死んでしまう。コッポラは「地獄の黙示録」でジャングルをナパームで焼き払ったが、アートのために生きた人間を焼いてはいけない。 とてもよくできた合成だった。炎や水と人物との絡み方が見事だ。相当時間をかけて編集している。 展覧会の最後の方では、本当に人間にものすごい大量の水をぶっかける作品もあった。あれは、痛い。たぶん、水をぶっかけられる人たちが、その前に構える表情をしたテイクはNGだったはずだから、何度もやってるんだ。水責めだ。サディストだ。あるいは、自分をそこに投影しているのなら、マゾヒストだ。 逆回、順回、反転、シンプルなアイディアで写し取られた映像が見事なさじ加減で、提示される。 水は美しい。炎も。ハイスピード撮影で捉えられた人の動きも。 ビル・ヴィオラの映像はそれだけなのだが、その単純さを完璧にやってのけることが、強さを生む。それと、展示。プレゼンテーションは大切だ。こういうのをビデオ・インスタレーションっていうんだな。インスタレーションはつまり、プレゼンテーションだ。 美術館の静謐な壁に、額縁に囲まれてビデオ映像が飾られているのも面白かった。 それを見て思ったのだが、美術館の静謐な壁に、額縁に囲まれてAVが流れていたらどうなんだろう。それはアートになるんじゃないかな。森美術館セックスだらけ、っていうのは見てみたい。 壁中腰ふってんの。最高。 日本のAVはフェイク・ドキュメンタリーとして、実はアート性があるんじゃないかと、常々思っている。 ところで、アートってなんなんだろう? それは自己表現である、とかそういうことじゃなくて。 ビデオインスタレーションは金がかかる。それは見れば分かる。 経済活動としてみたときに、アートって何? 映画は娯楽だ。それはゴダールが娯楽かっていうと違う気もするが、それでもぎりぎり娯楽産業と接している。 純粋アートって何? 誰がそれを必要としていて、誰がそれに金を出すのか? なんかそこには、日本にいると分からない、文化のシステムがあるように思う。つまり、貴族がいた国のシステムだ。 (ビル・ヴィオラ : はつゆめ 六本木、森美術館で2007年1月8日まで)
by denkihanabi
| 2006-11-09 23:57
| アートネタ
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