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2006年 04月 04日
とてつもなく美しい。
大好きな映画です。 この映画はなぜかDVDが出ていない。私はこれまでVHSでしかこれを見たことがなかった。暗いシーンの多いこの映画はVHSの画質だと、ほとんど見えない部分が多かった。だから、今回ニュープリントでリバイバルされたのは、とてもうれしい。 オープニングのカットが上下逆さまの夜景だということに、映画館で見て初めて気がついた。 Bunkamuraル・シネマで4月8日まで。必見。 イレーネ・ジャコブを撮り、イレーネ・ジャコブを見るためだけにあるような映画だ。 イレーネ・ジャコブもまた、この映画でベロニカを演じるために生まれてきたような女だ。 ひたすら美しい映像が、ひたすら美しく可憐なイレーネ・ジャコブを、舐めるように濃密に映し出し続ける。 監督のクシシュトフ・キェシロフスキの深い愛情を感じさせる映像だ。 繊細なイメージが何かを暗示するように散りばめられ、でもそれがどういうことなのかは、ついに語られることはない。 ベロニカが2人いるというのはどういうことなのか? 説明はない。 この物語の意味を言葉で解き明かすのは不可能だ。 ガラスが何度も印象的に映像を彩っている。 映画自体が、アンバーの光に染められた繊細なガラス細工のようだ。 そして天上から届けられたようなあの音楽。 奇跡的な傑作。 人形劇のシーン。 カーテンを閉めた学校の教室の暗がりで子どもたちが息をひそめている。人形劇に言葉はない。でも、子どもたちの心は人形たちの世界に引き込まれ、人形の死を畏れ哀しむ。 人形劇の暗がりは、映画館の暗闇に通じる。映画館の暗闇には魔法が棲んでいる。そんなことを久しぶりに思い出した。 ベロニカは大人だ。彼女は子どもたちの視線とは別の方向に見えるものに気づく。舞台そでに隠された鏡に映る人形使いの男の姿に。ベロニカは魔法の秘密を見る。だが、人形使いと目が合ったとき、彼女はもっと深い魔法にかかるのだ。 その魔法は、暗闇の外に出ても、消えない。
by denkihanabi
| 2006-04-04 01:18
| 映画ネタ
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