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2005年 06月 24日
![]() 演出のリズムも、こっちの方がいいと思う。 そうは言っても、シナリオにかなりの大穴いくつもあり、「納得のいく緊迫感のある嘘」にはほど遠い。 まず、地下鉄でサイバージャックされている通称「クモ」という新型車両の設定に、嘘を感じさせる嘘を置いてしまっている。デザインも、ひどく近未来的で、リアリティがないし。「クモ」という通称は鉄道マニア的で悪くないのだが。 で、それが、携帯電話でで遠隔操作される、地下鉄の脇線(だっけ)という幻の線路を走る、と、嘘に嘘を重ねた無理を感じてしまう。 その「クモ」が犯人に操られて暴走することで、地下鉄が大事故の危機にみまわれる、という導入部の設定が、物語の頭3分の1くらいで、忘れられてしまう。事件は途中から、爆弾テロがメインになってしまって、地下鉄のパニックはどこいっちゃったの状態になる。簡単に手動では止められないという設定の、他の地下鉄の乗客たちはどうなっちゃったんだ? もうひとつ言うと、コンサートホールを爆破するために「クモ」を新宿に持ってこないといけない理由が、私には理解できませんでした。だいたい犯人は爆弾積んでいるクルマに乗ってるんだから、自分でスイッチ押せばいいじゃん。 なにより問題は、「交渉人」が主人公なのに、その交渉相手の存在感がついに提示されないことだ。 なるほど、サイバーテロの時代には犯人の実像なんかついには分からないままなものなのだ、犯罪者の肉体的存在感なんて今や実感できないものなのだという主張は、あってもよい。 でも、それなら、そんな相手に人間的な「交渉」なんて無意味だという、「交渉人」の無力感を感じさせる映画にするべきだろう。でも、そんなややこしいものは、この映画は明らかに目指していない。 主人公は、極めてご都合主義的に、多くの無名の市民と自分の彼女を救ってめでたしなのだ。だったら、もっとエンターテイメントとして面白くしろよ。 だいたい「交渉人」というタイトルで、相手の実像がついにイメージできず、その交渉の言葉が緊迫感を生み出さないのは、完全に失敗でしょう。 「交渉」してないし。 ここは一番むずかしいところだが、「ジャガーノート」とか映画のタイトルを並べる味付けだけ凝って、事件解決、危機脱出に向けての核となる、緊迫感のある言葉のやり取りが、ない。 犯人がどんなやつだったのか、そもそも存在したのかさえ分からない、という黒沢清のような不条理なラストは、この映画にはふさわしくないと思う。 確かに、アメリカ映画のセオリーの、どんな知能犯も最後には主人公と殴り合いをやるっていう展開を避けたいのは分かるけれど。 ![]() 私は見ている間、これがもしハリウッド映画で、予算がそこそこあり、ブルース・ウィリスが出ていたらどんな画になっていただろうな、と思っていた。 とりあえず、火薬の量はフタケタ違っただろう。エキストラの数ももっと多かっただろうし、ステディカムももっと慌ただしく動いただろう。あの地下鉄の指令室のシーンは「アポロ13」とかを参考にしたと思うが、美術も撮影もかなりがんばっていたが、あそこまでの緊迫感は出せていなかった。惜しい。 でもね、もっと金があっても、やっぱりいい映画にはならなかったと思うのだ。シナリオの穴は金では埋まらない。 「ダイ・ハード」の一本目のような作品にはならなかっただろう。「2」とか「3」とかを目指してるなら知らないが。 よかったのは、寺島進。おいしいところを持っていった。あの、わかりやすいサブキャラに、この映画、ずいぶん救われている。「バカヤロー」を連発しながら、「こっちは寒いんだよ」とかいーね。 主演のユースケ・サンタマリアの味は、引き出し切れていない。もっと主人公のキャラを立たせたかった。もっと内向的な人物か、あるいはもっと考え方がズレたところがある人物か。個性があるのに組織に埋め込まれた選手のようで、なんだかもったいない気がした。オリジナルのテレビシリーズのキャラから、大きくは変えられなかったのだろうが。 ところで、クリスマス・イブという設定の映画を、なんで今公開するんだろう? ■
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by denkihanabi
| 2005-06-24 23:59
| 映画ネタ
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