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2005年 01月 16日
これはまた、日本語タイトルが魅力的な映画。
例の“ドグマ95”という一味の映画らしい。例の、と言っても私はラース・フォン・トリアーが嫌いなので、ドグマな映画は見たことがなかった。 ルールが十箇条あるのだ。「カメラは手持ち」とか「自然光しか使わない」とか「ロケでなければならない」とか、いろいろ。たしか「音楽とか効果音もNG」で「オプチカルもだめ」だった。 で、この映画はそのルールに乗っ取って作られている。窮屈なようだが、意外とこの映画にはその手法が、とてもいい効果を生んでいると思った。 フィルムではなくビデオ撮影のようだが、手持ちのホームビデオのような映像が、役者の自然な演技とあいまって、何かこの遠くの国の見知らぬ人たちの人生を、とても近しいものに感じさせる。 映画の印象や、登場人物の設定が垢抜けないのでまるで違うように見えるが、恋に不器用な人々の群像劇というところは、実は「ラブ・アクチュアリー」に似ている。 もっとも、タイトルの印象で、脳天気なゆるーい映画を想像して見始めると、いきなり重苦しい設定にとまどう。登場人物たちはみな重い問題を抱えている。 病院やら教会やら葬式やらのシーンが多く、やっぱり北国の暮らしは暗いんだなあ、神様だけが救いなんだ、なんて感じだ。 ところが、これはこのままつらいハナシになるのかな、と思っていると、それがそうならない。 北欧の凍った人間関係を、イタリア語のラテンのオーラが、溶かしていくのだ。肉親の死や失業などの悩みを抱えていた人々が、妙にお気楽な幸せモードに入っていく。 見終わっての印象は、悪くない。 本当になんか垢抜けない映画に見えるのだが、実はとてもうまいところがあったりしてあなどれない。 母の死を知ったパン屋の女オリンピアがコーヒーカップを落とすところ、カップが床にぶつかる直前でカットして他のシーンに移る、あそこは鮮やかで感心した。 カーレンとオリンピアが姉妹だと分かるところは面白いし、イタリアンレストランの厨房での会話のシーンはすごくいい感じだ。言葉は全然分からないけれど、本当に演技が自然に見える。 テンポはややかったるいが、実はこの映画、かなりいい映画かもしれない。
by denkihanabi
| 2005-01-16 02:34
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