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2004年 12月 22日
最近のスピルバーグの映画には、ちぐはぐな印象がつきまとう。
とてもクラシックなこじんまりとしたいい話なのに、映像は大作でグラマラスだ。あるいは人間のドラマを描こうとしているのに、最初から最後まであまりに今の現実とかけはなれている。そんな印象。 例えば「マイノリティ・リポート」は、古典的なヒッチコック式ぬれぎぬサスペンスで、SFである必要が全くなかった。SF的な金のかかった味付けがすべて、物語にとっては贅肉だった。 あれに比べると「ターミナル」はかなりいい。これはフランク・キャプラのような古典的な寓話をやりたかったのだろう。でもやはり、贅肉が多すぎる。 あの空港は全部セットだそうだ。すごいセットだ。金がかかっている。でもそのことが映画を悪くしているように感じる。主人公や回りの誰かに同化するのではなく、あの壮大な空間から人間を俯瞰で見下ろしているような感覚になってしまう。 一度スピルバーグはもっとローバジェットの映画を作ってみるべきだ。ウディ・アレンくらいの規模のやつを。そうしたらこの監督の映画で物語を語るうまさが際立つのではないだろうか。 スタジアム規模のライブ・ツアーをやっているバンドが、ライブハウスに出るようなことをやってもらいたいなと思う。 でも次もトム・クルーズの「宇宙戦争」らしい。期待できないな。 主演は、“いいひと“を演じさせたら草なぎ剛(うわ、この字出ない!)と天下を二分するトム・ハンクス(笑)。この映画のトム・ハンクスがうまいのかどうかは私には分からない。ただ何ケ所か笑えるシーンはあったし、ファンタジーの核となる大嘘として存在感はあった。言ってみればビクターはE.Tなのだ。はじめは言葉も喋れないひとりぼっちの異邦人だが、やがてコミュニケーションをとれるようになり、意外な技術も持っていて、ピュアな心で人々の心をつかむようになる。 むしろ彼女の方がエイリアンみたいだ。 もともとスピルバーグは女を描いたりロマンスを語ったりするのは、大の苦手である。今までスピルバーグが撮った一番のラブシーンは「レイダーズ」でカレン・アレンがハリソン・フォードの怪我の治療をするシーンだと思う。 この映画は、そのスピルバーグにしては良くやった方なのかもしれない。が、2人がキスするシーンのピカピカした逆光はやりすぎでしょう。恥ずかしかったのかな。 あのあと、いきなりビクターがひとりで目を覚ますシーンに飛ぶのだが、私は夢オチかと思った。 セックスの匂いを極端に排除しようとしているようだ。確かにこの物語にセックスはいらない。だが、このシーンにせよ、入国検査官の女とフードサービスの男の結婚のエピソードにせよ、排除の仕方が強引で不器用すぎる。 そしてラストにかけて、やや驚くべき展開が待っている。 ビクターは「僕が待っているのは、あなただ」とさえ言った愛する女アメリアより、死んだ父親との約束を守ることを選ぶのだ。 父親との約束どおりジャズミュージシャンのサインを貰った主人公が「家に帰る」と言ったとき映画は終わってしまうのだ!え、アメリアを追いかけたりしないの?そんなのアリ? もしもですよ、あの強引に排除された夜に、ビクターとアメリアが寝ていたら、ビクターって欲しいものだけ手に入れてやってポイの悪い男じゃん。 結局、この映画はラブロマンスではなかったということだ。スピルバーグにとっては、男女の愛よりも、家族が大切なのだ。恋人との絆よりも、父親との絆の方が大切なのです。 昔からそうなんだ、この人。変わらないなあ。 そういうわけで、スピルバーグには、もう大人のロマンスとかはいいから、ローバジェットのサスペンス映画を撮ってもらいたいと思うのでした。主人公は子供がいいな。 ところで、スピルバーグがニューヨークを撮ったのは、これが初めてじゃないだろうか?
by denkihanabi
| 2004-12-22 00:48
| 映画ネタ
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