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2009年 02月 28日
少し前になるが、文化庁メディア芸術祭を見に行った。何年かぶりだ。会場は恵比寿の写真美術館ではなく、六本木の国立新美術館だった。
2時間くらいしか時間がなかったので、ムービーの作品はあまり見れなかったが、先日アカデミー短編アニメーション賞を受賞した「つみきのいえ」は見ることができた。 これはいい映画だった。 シアターではなく、美術館の他の展示物と並んで設置されたスクリーンのやや不明瞭な映像で、隣のコーナーのゲームの音に邪魔されながら立ち見で見たのだが、それでも泣ける話だった。 メディア映画祭でもアニメーション部門のグランプリで、アカデミー賞以外にも海外の賞を受賞しているらしい。特別、斬新な作品ではない。内容も、表現手法も、むしろ郷愁を呼ぶようなアナログな香りのする作品なのだが、これが世界中で評価され私が見ても感動するというのは、作品のクォリティもさることながら、なんか時代の気分みたいなのもあるんだろうなと思う。 私の好きな「あらかじめ失われた」感覚がテーマになっている映画だった。 セリフがないのもよかった。回りがうるさいところで見ても、まったく問題なかった。明らかにこれは世界で賞を取ることを目指して作られた作品だ。外国語圏で勝負するには、言葉に頼らない表現であることはとても重要な戦略だ。 もちろん、それがすべてではないけれど。 他のジャンルでは、アート部門の大賞作品「Oups!」をはじめ複数の作品が、「体を使ったインタラクティヴ映像」だったのが印象的だった。 「Oups!」はスクリーンの前に立つとそこに自分の姿が映し出され、その自分の姿が次々とアニメーションでアレンジされて行くという作品。自分がアニメキャラになってしまったり、体から植物が生えてきたり。体を動かすとアニメもシンクロしてついてくる。 スクリーンの前に置かれた小型ビデオカメラの映像をコンピューターで解析して瞬時にアニメを合成しているわけだ。ちょっと面白い、仮想肉体感覚を味わえるだけの作品のようだが、技術的には相当なことなのだろうし、この表現の可能性がすごそうだけどよく分からないってところが、評価されたんじゃないかと思う。 エンターテイメント部門に展示されていた任天堂のおなじみの「Wii Fit」も「体と映像のインタラクティヴ」だし慶応の佐藤雅彦研究室の「君の体を変換してみよ展」もやはり、肉体感覚の映像による拡張を楽しむものだった。 メディア芸術祭の一部門ではないらしいのだが、最新の映像技術を展示しているコーナーがあって、そこにも体を使った映像インタラクティヴ技術が紹介されていた。そこにいた開発者らしき人に聞いたら「他にも同じような発想の作品がいくつもあって驚いた」と言っていた。 その人が説明してくれた技術は、私が白い壁の空間に入ると床や壁に影が映るのだが、実はその影は本当の影じゃなくて小型カメラで撮影した私の映像を影として壁や床に映写しているものだという、言葉で説明してもなんのことやら分からないシュールなものだった。 私は説明を受けるまで、普通の影だと思っていた。 それはアートとして作られたものではなく、あくまでも先端テクノロジーとして開発されたものらしかったので、私は「これは、なんかに使うための技術として開発されたんですか?」って素朴な疑問をした。そしたら開発者らしきその人は「何に使うか分からないのが面白いと言いますか、ははは」ってアーティストみたいな答えをしてれた。その後なんかもっと言わなきゃって思ったのか、「今、子どもたちがいろいろ体で感じるというチャンスがなくなっているじゃないですか。そういう体験を作り出すのに役立つということもあるかもしれません」と追加説明してくれた。「いや、あなたが一番体で感じてないタイプっぽいですけど」とは、私もさすがに言わなかった。 子どもの感覚云々のところはともかく、体と映像のシンクロが生み出す新しい感覚っていうのが、どうも現在のアートとデジタル技術の出会いの最先端らしい。 それがなんに使えるのかはよく分からないけれど、来年あたりにはフツーに街にあふれてるかもね。駅のポスターの前に立ったら、服は自分のままで顔だけキムタク、とか。
by denkihanabi
| 2009-02-28 02:18
| アートネタ
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