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2008年 05月 17日
全然サエない無名の男が、憧れのドリュー・バリモアとデートするために奮戦する姿を描いた、なんとこれは、ドキュメンタリー映画。
アホな映画やーって思うでしょうが、これがとってもよくできたコメディになっています。 騙されたと思ってツタヤで借りてみてください。 面白いよ。 私は大学の頃、原田知世ファンだったのだが、知世ちゃんとデートするために現実的に努力するなんてことは考えてもみなかった。 それをやっただけでも、監督主演のブライアン・ハーズリンガーはえらい。 それにしても、本当にドキュメンタリーなんだろうかと疑ってしまうくらいよくできた話だ。 何がよくできているのかと言うと、まず主人公の設定だ。 ブライアンは27才。L.Aに住んでいて、どうやら映画監督を夢見る若者。でも、現在は仕事もなく恋人も去りクレジットカードも止められかけている。 彼は6才の頃からドリュー・バリモアの大ファン。10才でファンクラブに入り、ファン歴21年。 サエない、ビンボー、無名で、コネもない、顔はフツーだけどちょっと暑苦しい、コンプレックスは毛深いこと。 でも、このブライアンは、笑顔が子どもみたいでおしゃべりは面白い。オタクでモテないけど、明るくて前向き。無邪気な心と、行動力があって、他人にはくだらなく見えるけれど大切な夢を持っている。そして、プラトニックな恋をしている。 コメディの主人公として、完璧だ。 サスペンスを生むゲームの設定もしっかりしている。 ブライアンが、クイズ番組で1,100ドルをゲットする。レートによるけど約12万円。ブライアンはその1,100ドルでドリュー・バリモアとデートをするドキュメンタリー映画を撮ることにする。ビデオカメラを買う金はないので、大型スーパーの「30日お試し期間」を利用してカメラをゲットする。30日後には返品しないといけない。 だから、製作費は1,100ドル、撮影期間は30日。 でも、これはドキュメンタリーなんだから、設定じゃないんだ。ブライアンは本当にそういうやつで、デート&撮影の条件は、本当にそうだったわけ。 さあ、果たしてブライアンはドリューとデートできるでしょうか。 [この後は、大ネタバレです。ここまでで興味を持った方は、DVDを見てから読んで下さい。] 結果は途中に出てくる占い師の言う通りになる。あの占い師すごいな。 あとから撮り足したんじゃないだろうな。 この映画でブライアンがやったことを、映画の最後の方でドリュー・バルモア自身がまとめてくれている。 あなたがやったことは、「人生でこだわって来た何かを、自分の本当にやりたいことにつなげる」ってことよって。 それはつまり、創作活動ってことだ。 ついに出会えた憧れのドリューが、その辺の気のいい姉ちゃんみたいなのがおかしい。セレブ?本当に?って感じの太めのTシャツのねえちゃんだ。 でも、このねえちゃん、なかなかいいことを言う。 オープニングに引用されている言葉もいい。 「リスクを負わなければ、魂をムダにすることになる」 身につまされる言葉だ。 ところでこの映画、撮影は12万円でやったのかもしれないが、最終的にはもっとお金がかかっている。劇中流れる80年代ポップスの版権使用料だけで、相当な額になるはずだ。ビデオをフィルムに焼き直して劇場で公開できるようにするにも金がかかる。ラストのデートシーンは明らかにカメラを2台使っているしね。 だからこれは、夢のような話のドキュメンタリーのような夢、なのかもしれない。 でも、そんな映画を世界で公開できたのも、ブライアンが夢を信じてとことんやって、見事ドリューを口説き落としたから。こういうのを、アメリカンドリームって言うんだろうな。最初の方でブライアンの知り合いが、「君のためには成功を祈るが、アメリカのためには失敗を祈る」って言うのが入っているところが、なかなか皮肉が利いている。 まだまるでうまくいく可能性がない頃、わずかなつてを探してビデオを回しているときは、相当情けない気分になることもあっただろうなあ。 何やってんだ、俺、って。 やってみるもんだ。 ところでこの映画、「メリーに首ったけ」にどこか似ている。子どもの頃からの憧れの君に20年越しの大アタック、という話だ。 純愛とストーカーは紙一重。 どこが違うんだろうな。相手が歓ぶか、嫌がるかということか? でも、嫌われてしまう純愛だってあるだろうし。 引き際を心得ているかどうかだろうか? でも、恋をしているときに、引き際を見極めるなんてできないかもしれないし、早く引きすぎては実るものも実らない。 結局は、恋をした本人のキャラクターなのかもしれない。ブライアンはそこが、絶妙だった。やっぱり、勝因は、そこだ。
by denkihanabi
| 2008-05-17 01:06
| 映画ネタ
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