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2005年 09月 08日
1960年のフランス映画。さすがの私も生まれてません。
「恋に落ちる確率」のレビューに、「『去年マリエンバートで』が好きな人にはお薦め」と書いたのですが、実はこの映画、私はちゃんと見たことがありませんでした。いや、大学の時に2回映画館に行ったけれど、2回とも寝ちゃったんですね。 なんか、責任を感じたのでビデオで20年ぶりに挑戦しました。 今度は寝ませんでしたよ。かなり眠かったけど。 でも、なんなんだろうな、これ。 オープニングのくり返される囁き系モノローグが、催眠術のようだ。観客を眠らせようとしているとしか思えない。 マネキンのように突っ立っている無表情な人物たち、幾何学的な庭園、冷たい迷宮のようなホテル、数学ゲームのようなカードゲーム、この映画には強烈なスタイルがあり、内容が分からなくてもそれが魅力的なのは間違いない。 ハナシは要約してしまうとなんてことない。 男と女がいる。女には夫がいる。男は女に「あなたと私は一年前に会った、私はあなたの部屋に行き、あなたと寝た、私はあなたと旅立とうと言ったが、あなたは一年間待って欲しいと言った、一年後の今私はまたあなたに会いに来た」という話をくり返す。女は「あなたのことは知らない、一年前そんなことはなかった」と言い続ける。 しかし、いつの間にか2人の記憶はズレながらも次第に一致して来て、結局、女は男とホテルを後にする。 それだけだ。 それだけのことを、なんでこんなややこしい描き方するかなー。 つまりこの映画の本質は、「描き方」であって「内容」ではない。まあ、たいていの映画はそうか。 男の記憶と女の記憶、どちらが正しかったのかは、たいした問題ではない。 私にはこのホテルの客たちが、死後の世界の人に見えた。 ヨーロッパのこういう貴族的世界って、死んでる。 もしかしたら天国かもしれないのだが、だとしたら天国ってのは酷く退屈なところなのだろう。それこそ死ぬほど退屈。時間は無限にあるが、情熱は存在しない。空虚な会話とゲームをくり返すだけだ。 男はその中で唯一、現世的欲望を残した人物で、そういうものに未練を残している女に目をつけて口説きまくる。女が本当にかつて男が知っていた女なのかは、もはやどうでもいい。口説きまくるんだけど、やっぱりそこは死後の世界なので、口説き文句の温度がメチャ低い。 でもなんとか、生きているときの情熱に火をつけることに成功して、女ゲット!で、2人で旅立つんだけど、どこ行くんだろう?あの世からこの世に戻って、また迷い多き人生ってヤツにハマったのかな。 面白いのは、死者代表の女の夫が得意としているゲームに、男がついに一回も勝てないというところだ。トランプやマッチ棒を、7、5、3、1と並べて、それぞれの列から任意の数を交互に取り除いていって、最後の一枚(あるいは一本)を引いた方が負け、というゲーム。 ここで女を奪うことに成功しても、世界のルールは死者の味方だ。そんな冷徹な事実が、あのゲームには感じられる。でもあれ、どうなってるんだろう。やってみよ。 似ていると言うと、鳥取砂丘を舞台にした写真を多くとった写真家の植田正治の写真は「マリエンバート」の庭園の絵に似ている。どっちが先か分からないが。で、「マリエンバート」の庭園の雰囲気はマグリットの絵に似ている。って前から思ってた。
by denkihanabi
| 2005-09-08 03:02
| 映画ネタ
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