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2005年 07月 23日
黒メガネのマックスは「だんご3兄弟」の佐藤雅彦氏に似ているな。
「ライフ・アクアティック」のウェス・アンダーソンの1998年の作品。 ひとつひとつのピースは実にきれいに丁寧に作られているのに、サイズや形が微妙にズレていて絶対完成しないパズルみたいな映画。 この変な味はクセになる。 主人公を「養蜂クラブ部長」「爆撃ゲームの会創設者」とかタイトルの入ったカットを並べて紹介するところや、物語をいくつかのチャプターに分けていて章変りにタイトルが入るところなどは、この監督の定番の手法みたいで、おかしい。 またビル・マーレイが出ているのだが、彼の無口で無表情な演技がいい味を出している。いつもシーンが変ってビル・マーレイが登場すると、カットのアタマでは必ず止まっている、という印象がある。何を考えているのか分からない表情で、どこかを見ている。それからおもむろに振り向く。大きなアクションで登場することがない。あの一拍の静けさがおかしい。 美しいクロス先生を巡って15才のマックスとビル・マーレイ演じる40男のブルームが戦いをくりひろげるところもおかしい。ブルームのホテルの部屋にマックスが蜜蜂を送り込む、ブルームがマックスの自転車をていねいに車で踏んづけて潰す、マックスがブルームの車のブレーキに細工をする。セリフがなく、淡々と事態がエスカレートしていく。 そもそもマックスがおかしい。15才のリアリティなどまるでなく、ひどく大人びていて行動が極端だ。彼の演出する芝居は、どれもとんでもなく大掛かりだし。 どこを切っても、とぼけた整い方をしている。それがおかしい。 でもそのぶん、主人公に感情移入はしにくい。マックスは恋をして行動して恋に破れるのだが、その心の流れにまるで乗れない。ドラマチックなことが起きて、決して展開も遅くないのに、いつも映画は淡々ととぼけた整い方をしていて、見ている観客は奇妙な違和感を感じてしまう。 ラストもなにかがズレている。 マックスはクロス先生が好きで、でもいろいろあってクロス先生のことはあきらめてブルームに譲った形になって、同級生のマーガレットがマックスと恋人宣言をして、という状況でのパーティのダンス、なぜか映画はマーガレットとブルーム、クロス先生とマックスの組み合わせで踊っているシーンで終わる。つまりどうなんだ? この物語は終わっていない。 なんか、いろんな引き出しを次々と開けておもしろいエピソードやおかしなセンスを見せて、引き出しを開きっぱなしにしたままおしまい、という感じだ。 でも、いろんなことがピシッとキマッてしまったらウェス・アンダーソンの映画じゃなくなってしまうから、まあ、これでいいってことなんだろう。 ところでマックスの学校の名前で原題の「RUSHMORE」というのはどういう意味なんだろう。
by denkihanabi
| 2005-07-23 23:45
| 映画ネタ
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