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2004年 12月 30日
大学時代の友人のYが「すごくいい映画だ」と絶賛していたので、韓国映画だということ以外はまったく予備知識ゼロで見た。
正直言って、私にはかなりつらかった。この映画。早く終わってくれ、と思いながら見ていた。 主人公が、嫌いだ。回りの人物も、まったく興味がわかない。テンポも語り口も、体質に合わない。 でも、Yだけでなく、この映画をいいと言っている人は他にもいるらしい。そういう人は、どの点で、この映画を好きになるのだろう? そうだな、すごくほめれば「ディア・ハンター」みたいな映画です。でも私はダメ。 好きな人の意見を聞きたいです。 最初から最後まですごく感じの悪い主人公を、最後から最初に向かって描く映画。映画は、1999年に始まり、いくつかのエピソードを追って1979年まで遡る。エピソードにはそれぞれ、「ピクニック」「カメラ」「人生は美しい」「祈り」「面会」等のタイトルがついていて、最後に20年前の「ピクニック」で終わる。 1980年に韓国でどんな事件があったのか、私は知らない。ラストの前の「面会」というエピソードは1980年に主人公が兵役についていた頃の国内の争乱(のように見える)を舞台にしている。 韓国には兵役がある。男は20才になると2年と数カ月軍隊に入らなければならない。おかげで、韓国の男性はみなすごくいい体をしている。私は以前ソウルのホテルの大浴場で、かなり恥ずかしい気持ちになったことがある。サッカー韓国代表のアタリの強さの秘密を見た気がした。筋肉質の男だらけ。一方私はと言うと、イタリアに行く前の中村俊介だ。 また兵役のおかげで、韓国の男性には「戦友」のような深い友達関係ができるらしい。 だが、当然のことだが軍隊は厳しい。40キロの荷物を背負っての2日間の行軍とか、上官によるイジメとか、いろいろあるらしいのだが、一番キツイ訓練は狭い部屋に押し込められて催涙弾を撃ちこまれるというものらしい。これは私が会った韓国の男が共通して言っていた。 だが、この映画の主人公キム・ヨンホが兵役に就いた1980年は、特別にハードな年だったようだ。一体何があったのか、分からない。これが分からないとこの映画のテーマはほとんど分からないも同然な気もするのだが、何か争乱があった。そこで、キム・ヨンホは、過って少女を殺してしまった。 この事実から、そこまでの映画の1時間50分ほどを振り返ると、その後の彼の人生のすべてをこの事件がねじ曲げてしまっているのが分かる。 キリスト教徒の妻の祈りを聞くたびに、キム・ヨンホは自分の罪を見つめていたのだ。 こう書くと、すごくいい映画のようだが、ところがそうではない。 罪を犯した善人の歯車の狂った人生を、時間を遡るという話法で描くことも、それがおそらく韓国の社会的な問題を浮き彫りにしているのであろうことも、分かるしよいと思うのだが、私にはそれがひどく客観的に分かるだけで、全然心にこないのだ。 私にはまるで関係ないことに見える。それは、ストーリーの問題なのではなく、描き方の問題なのだと思う。いや、キャラクターの問題か。 映画のラスト1979年のピクニックで、キム・ヨンホは心の底で生涯愛し続けることになる女に出会う。 このシーンのヨンホは、映画のそれまで、というのは彼の人生のその後、で見られる彼とはまるで違う、純朴な優しい青年だ。 だが、私はこの男も嫌いだ。このシーンは耐えられない。なんと言うか、字で考えたようなシーンなのだ。つまりこういう人間がこうなったと。だから最初はこういう人間でなければならないと。でもそれは文字で考えられたキャラクターで、私にはまるで生きている人間に見えない。 あるいは、私は始めと終りにあるこのピクニックのシーンの古くささに拒絶反応を起こしているだけかもしれない。冒頭の5分で、昔のATG映画みたいだな、と感じた。日本人で撮ったら主演は永島敏行だな、とか。 韓国映画は、登場人物のルックスが日本人に酷似している分、よくその古くささが気になってしまうところがある。これがインド映画だったら、むしろそれが面白さと感じられるのだが。
by denkihanabi
| 2004-12-30 03:35
| 映画ネタ
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