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2004年 12月 17日
キリンアートアワードというアート系のコンペティションで大賞を受賞しながら、「笑っていいとも!」やコマーシャルなどの映像を使っているため、著作権の問題で公開できなかったという、いわくつきの作品。
雑誌か新聞で、そのニュースは読んだことがあり、これがなぜかUPLINKギャラリーで公開されていたので見に行った。 ビデオ・アートというのは、あまり面白かった試しがない。MOMAとかでナム・ジュン・パイクとか有名な人の作品を見てもピンとこない。 以前なにかのコンペティションで高く評価されていた作品を見たが、それは中島みゆきの歌をバックに、夜、フラれた女が男を自転車で追いかけて、バットかなんかで男をボコボコにするというのをワンカットで撮っているビデオ作品で、まあ、あんなもん作るやつはそういないだろうから、個性的とは言えるのかもしれないが、それ以上は何も言えないようなものだった。 ああいうのを見ると、貧乏で技術のない作品をアートと呼び、金がかかってて技術の高い作品を映画と呼ぶのか、と思ってしまう。 まあ、要は、毎日12時からやってる「笑っていいとも!」をサンプリングしてリミックスした映像作品。 約45分の作品が、月曜から金曜のパートに分かれているのだが、その中で「邂逅」というパートが面白かった。ここではタモリのセリフを編集し、実際彼が喋ってはいない文章に組みかえて、その編集されたタモリと映像作家のK.K自身が対話をする、というトリッキーな技が使われている。 分かりにくいと思うが、こういうこと。「お前」「の」「映画」「なんて」「誰も」「み」「ない」「だ」「ろ」と、全く別の場面からのタモリの音声を集めて来てつないで「お前の映画なんて誰も見ないだろ」と喋っているタモリの映像を作るわけ。 これはなかなかいいアイディアだ。作るのも大変だ。 さらに面白かったのは、こういう風に音声をつなぐと、当然不自然で聞き取りにくい。そこで、バラエティでよく入る、セリフをテロップで見せるという手法を使って、聞き取りの問題をクリアしているところ。何か、敵の手法を逆に利用しているようでおかしかった。 それにしても、私は「いいとも」を見ていないので、テレビのバラエティをあそこまで圧縮して見せられると、その毒々しさに目が疲れてしまった。「ロスト・イン・トランスレーション」に主人公が日本のバラエティに出るシーンがあったが、あれに近い違和感を覚えた。 ふだんから見てる人は、また違う感覚かもしれないけれど。 正直言って、この作家の部屋は6畳の畳の上を、ビデオテープとテレビとビデオデッキとコンピューターと布団が、ギッシリと占拠しているという、うわーって感じの部屋で、彼が編集しているのが「笑っていいとも!」だからいいけど、これが「幼女ポルノ」だったら逮捕されるよな、と私は思いました。 それにしても、今は表現のジャンルを問わず、サンプリングとリミックスの時代なんだな、と思う。 考えてみれば当たり前のことで、私たちは子供の頃からテレビと広告に囲まれて育っている。都会に生まれれば、自然のものなんて空と人の顔だけだ。そういう状況なら絵を描くにせよ音楽を演奏するにせよ、モチーフは人工のものになるしかない。 そういうところで著作権云々と言われてもな、って気がするのだが、どうなんだろ。
by denkihanabi
| 2004-12-17 02:31
| 映画ネタ
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